第1話

無難な選択、という言葉がある。

人生に於いて誰しも選択を迫られる場合が多々あるが、結局のところ大多数が選ぶであろう結果に帰結するものだ。

例えばだ。カレーを作るとしよう。固形ルーを使用する簡易的なもので構わない。

そうなると具材を選ぶだろう。いくつもある。ここで全て無難な選択をし続ければ、所謂皆が頭の中で想像したであろう美味しいカレーが出来上がる。

まあ、皆が無難な選択をする訳ではもちろんないだろうが。

知識を蓄えた一部の人間は隠し味として少し珍しいものも入れるだろうし、己が料理未経験だというのに自信に溢れた一部の高慢ちきはもっと突飛なものを入れるかもしれない。

けれど多くの人はそんな冒険をしないだろう。いや、嘗てはしていたかもしれないが。

往々にして若い頃は突飛な行動をしがちだ。私は仕事柄そういったエネルギーを溜め込んだ若者と接する機会が多いのだが、本当に理解に苦しむ行動を起こすことが多い。それでも自身の学生時代を思い返すと似たようなことをしていた気がするので、結局の所誰しもがそうなのであろう。

ーーー閑話休題。

結局何が言いたいかというと、先に申した様私も有象無象を形作る一人という訳で。

休日のである本日、起床したのち用を足し、顔を洗い、歯を磨き、飯を食べ。

趣味であるギターを少しかき鳴らしたのちに入用の為外へと繰り出したのだ。

そうそう、ギターを弾いていた時に珍しく5弦と6弦を同時に切って、こんなこともあるのかと驚きはしたけれども。



けれども。まさか居眠りした運転手が率いる10tウイングの大型トラックがこちらに突っ込んでくるとは思わないじゃあないか。




無難な選択とは言えない、こんな掃き溜めに辿り着いた愚かな諸君はもうお気づきかと思うが。




ーーー多分、これは走馬灯という奴なんだと思う。





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